2冊目:『世界金融危機』
2冊目に選んだのは、金子勝、アンドリュー・デウィット著の『世界金融危機』という本です。岩波ブックレットは普通の新書よりも大分薄くすぐ読めるので、こういった宿題にはピッタリでした(さっそく課題から逃げている、、、)。
本の内容は以下の通り(「BOOK」データベースより)
サブプライムローンの破綻から、原油高や食料難が拍車をかけて進む世界的規模の金融危機―。いま、何が起きているのか。そして、どうすれば食い止められるのか。深刻な世界同時不況と言われる現在の状況を、詳細に解説する。
要旨レポートへのCFOのコメントはこちら↓
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以下、要旨レポートへの返信です。
- 影の銀行システムと言う表現と言葉の定義には?が有ります。 本来証券を担保にして金融を行うと言うシステムがあり、今回は このシステムを使っただけと(僕は)理解している。
- 従来との違いは、金融数学を使って、あたかもリスクがない証券が存在するかのごときロジックを使ったこと。分離沈殿したリスクはヘドロと化して悪臭を放つ…のが理の当然。
- 本来リスクが高く、その分金利負担も大きいSub Primeの商品をリスクを沈殿させた上澄み液だから大丈夫として売りまくった組織の倫理感覚が問われるもの。仲介した金融機関は潰れて当然。
- この危機が地球温暖化との関連で増幅され,その後進国としてのアメリカが大きな痛手を蒙った? 其れに追随していた小泉・竹中路線は影響を大きくした? 此処は良く解らない。金子さんは反小泉竹中路線の急先鋒だったから、この話は割り引いて読みたい。僕も個人的には、小泉路線は嫌いですけどね。
- 資産物価の急落と資源価格の高騰と言う話が出てくるが、如何いった概念ですか?世界でデフレが進んでいるのは、新しい労働力の供給が需要の伸びを上回っていると言う問題。これは供給価格が上がると言う現象を通じて時間が解決する。資源価格は概ね右肩上がりになる。需要者として市場に参加する新興国の国民が其れを押し上げると思っている。
- 貨幣の本質とか役割とかを考えてみると面白いです。 資本主義が冨を蓄える経済マシーンであり、其れが貨幣の形で蓄積されすぎると昨今のバブルになります。バブル解消には大幅な浪費が必要です。ケインズの有効需要理論もこの浪費を語っています。過去、残念ですが、戦争がこの役割をしてきましたね。悲しい話です。
ではでは
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新入社員が本を読んでその要旨を纏めたレポートに、CFOがわざわざ時間をとってコメントをくれている。何とも有難いです話です。
- 作者: 金子勝,アンドリューデウィット,Andrew DeWit
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/10/07
- メディア: 単行本
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